誘電性と磁性の絡み合った現象の探究

「磁場と磁化」,「電場と電気分極」,「応力と歪み」の関係に履歴現象を生じる物質は,強磁性体,強誘電体,強弾性体と各々呼ばれ,その履歴特性によって物性の外場応答が不揮発性を示すことからエネルギー消費の少ない情報保持が実現でき,機能性材料として電子デバイスなどに広く用いられ,現代社会を支える基盤となっている。これらの性質を持つ物質はひとまとめに「フェロイクス」と総称されるが,さらに,単一の物質中で複数のフェロイックな性質を持つ物質は「マルチフェロイクス」と名付けられ,近年,その研究は急速に進展してきた。本研究室では,従来のマルチフェロイクスの範疇を超えた新しいタイプのマルチフェロイック結合の創成および新規マルチフェロイック物質開発を行い,複数の構造・電子秩序状態の結合に起因する新規な電子物性・機能の実現を目指している。

›› 木村研究室を希望する学生さんは こちら もご覧ください。